ぶどう膜炎の話(5)

今回は、いま進行形でぶどう膜炎を患ってる方が覗きに来られることを意識して、ちょい細かい話を書きます。
そのような方は、ぶどう膜炎の症状にはすごく幅があって治療も人それぞれなので、ここに書いてあるのはあくまでもどこまでも私の体験なんですよ…ってことを念頭に置いてお読みください。

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さてぶどう膜炎の原因を探すために総合病院で全身検査を受けた私ですが、結果的に何が元で罹ったのかわかりませんでした。
実のところ、ぶどう膜炎の3割は「原因不明」です。
昨日書いた三大原因(サルコイドーシス・原田病・ベーチェット病)などの病気が後々に発病して、やっぱりそれが原因だったね☆と後から判明することもあるからと釘を刺されましたが、とりあえず重篤な病気が目で暴れたわけではないという結果にひと安心。

症状も何日か続けて目に注射してもらううちに落ち着いて来ました。
当初は視野の霞がひどくて(トップ画像みたいな感じ)、しかも注射の後はしばらく眼帯をしているので、左方向から車が来るのが見えなかったりしたものの、右目は正常に見えていたので日常生活は普通に送れました。

送れましたが、ただ当時の私は利き目が病気をした左目の方だったので(数メートル離れたものを注視して、次に左目と右目を交互に隠しながら見た時、両目で見た時とズレてない方が利き目)、利き目が見えないと文字を読むとか書くとかいう作業がとても疲れます。
当時、単行本の最終巻の描き足しが進行中で(もちろん少し良くなってからですが)、左目は眼帯をして使わないようにして、右目だけで描き足しの作業をしました。でも利き目じゃないと焦点がうまく合わないのでとてもストレスでした。デッサンは狂うし…ってそれは元からか。てへ。

右目が疲れるというもののやはり我が身のことは気になるもので、ちょっと見えるようになったらネットでぶどう膜炎のことを調べまくりました。
今よりオンラインの情報が少なくて、しかも終いにゃ大抵は失明するみたいなことを書いてるところもあったり、もう大嫌いな某巨大掲示板までのぞいてみたところオレは何ヶ月で失明したっていう話ばかりだったりと、読めば読むほど気分はだだ下がり〜。
読まなきゃいいじゃんって思うのは、人間性に対する理解の不足ですよ?! 振り返るなと言われると振り返って塩になったりするものなんです!

症状が落ち着いてくるうちに、前回と同様に水晶体に癒着していた虹彩が剥がれて、目薬だけの治療になりました。
目薬は虹彩の癒着を剥がす(&癒着防止)ために散瞳薬のミドリン、炎症を抑えるためにステロイドのリンデロンの二種類です。ミドリンを差すと瞳孔が開くんで眩しいんだ、これが。最初は2時間おきくらいに差しましたが、良くなっていくにつれ1日4回くらいまで減りました。

私のぶどう膜炎は虹彩の炎症のみだったので目薬の治療だけで済みましたし、治りも比較的早い方でしたが、もっと目の奥や目全体に炎症が起きるとステロイド薬や免疫抑制剤の服用の必要もあり、治療も長くかかるそうです。その点、私は本当にラッキーでした。

もうひとつラッキーだったのは、虹彩が毎回律儀に水晶体に癒着してくれちゃうんですが、毎回、治療で何とか剥がれてくれたことです。
私たちの目は房水という水で満たされてるそうで、虹彩と水晶体がくっつくとその間を流れていた房水が流れなくなって眼圧が高くなり、緑内障を併発してしまうそうです。緑内障は視野が欠け、悪くすると失明に至る病気です。一条ゆかり先生が罹られたのも緑内障でしたね。
眼科の先生方の早い対応と注射と目薬のおかげで、私はそうした深刻な事態は避けられました。でも虹彩は一部くっついたままになっちゃってるのかな、今も私の左の瞳孔は円ではなくちょっといびつな形をしています。

緑内障以外にも、炎症を起こした場所によっては視神経炎を合併することもあります。ぶどう膜炎は治療が遅れて下手をすると失明するというのは本当で、最初にかかったお医者さんが「困ったなあ…!」を連発したのも故なきことではなかったのです。

症状が治まって、視界の霞も薄くなり、よく見たらオブラートをかけたくらいの霞があるかな〜ってくらいになった頃、ステロイドはリンデロンからフルメトロンという点眼薬に切り替わりました。
もう日常生活は以前とほとんど変わりありません。
ただ治る過程で飛蚊症がものすごくって、蚊っていうよりカエルの卵みたいなものの塊が視界の半分くらいをうねうねと動いてまして、これずっと見えてるのかなあと不安でしたが、それもだんだん小さくなり、気がついたら元の程度まで減っていました。

ずっと診て下さってた部長先生から他の先生のチェックになり、じゃあ来月の今頃また診せに来て下さいと言われるようになり、それが三ヶ月くらいまで間隔が広がって、もう治ったから来なくていいですよと言われるまで、10ヶ月くらいかかったように記憶しています。
半年も経たないうちに、また通う羽目になるんですが。

(続くのですよー)

2 comments

  1. たなすけ says:

    こんにちは!私も昨日、ぶどう膜炎の診断を受けました。職場が病院なので、今日、採血をして、明日データを持って再受診の予定です。血液検査データ上、特に悪いところはなかったので、原因不明の、になるかも、です。トップ画の霞んだ写真が私のものと同じで、一人じゃないなって安心しました。採血前の問診でも、あの画像を見せたら先生もすごくよくわかってくださり、診察・検査がとてもスムーズに行えました。ド近眼でコンタクトレンズが欠かせないのですが、今はやむ無く不馴れな眼鏡で頑張っているところです。明日の受診で注射?かもしれませんが、がんばります!(昨日から、目薬中です)

    • さくの says:

      コメントありがとうございます^^
      コンタクトレンズからメガネになるの、地味にたいへんですよね!私もそうだったからわかります〜。
      炎症ができるだけ軽く済んで早く治りますように!
      ごくごく個人的な体験では免疫力アップが一番の薬だったので(私の場合は貧血治療でした)、睡眠をたっぷりとってくださいねー。お大事になさってください

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