障子も苦手な話

一昨日の折り鶴が苦手な話の続きです。
アシスタントをしていた頃、先生から「これをこう描いてね」と言われて、心中「うっ」と仰け反るのは障子を描くよう指定があった時でした。

は? 障子? 和室にある紙を貼ってあるアレ? 超簡単じゃん。

そう思ったあなた。わかる。私もそう思います。
だから先生も私にその背景を描かせるのですが、でもその形状のシンプルさ故に私は障子が苦手でした。
もうね、端っこと端っこをきっちり合わせるとか、等間隔に線を引くとかが致命的に下手なの!ちゃんと定規を使えだ? 使ってるわい!

なんかこの障子歪んでない?物置に打ち捨てられた壊れた障子?的になるのを必死で直して、下絵をやっとで描きまして、ペンを入れて消しゴムをかけてみると、下絵とズレてて障子の桟のこっちとそっちの太さが違う。障子みたいに均等に桟が並ぶ物はその手の粗が目につきます。
自分の原稿なら気になりませんが(なにせ原稿全体がそんな調子…)、先生の綺麗な原稿の中では悪目立ちするので慌てて修正。ああっ、直したはずなのに、やっぱり歪んでるぅ。

かくして、たかが障子を描くのにどんだけ時間がかかるんだというくらい時間がかかり、しかもやたら修正が入った背景が先生の手元に届き、こんな簡単な背景に苦労する有様に、いきおい先生からの次の指示も簡単な(はずの)障子…のデススパイラル。

もっと線を引くときに注意したらいいのにとか、練習したら?と思いますよね。
ごもっとも。私もそう思ってました。
長らく自分の努力が足りないせいだと思ってて…そしてそれもまた真実ではあるのですが、なんかもーね、最近、私ってやつは緻密な作業が根本的に不得手な人間なんだ、そういう種族なんだ、ドンマイ安子と割り切ることにしたのです。

そうすると世の中良くしたもので、今日びはマンガ制作ソフトに3Dモデルを取り込んで、パースをつけて配置して、それを線画に変換するというミラクルなことができるんですって!聞きました、奥さん?!

というわけで、3Dで障子を描いたらどのくらいかかるのか、試しに作ってみたのがトップの画像です。
ボックス一個に数値を入れてコピーして移動して数値入れて…って作業で15分ほどで出来ました。手慣れた人ならもっと早いでしょう。
これを原稿に取り込んで、角度を決めて線画に直して…だとプラス5〜10分かな。
いや、障子なんか描いた方が早いわって人はいいんですよ。でも私はこちらの方が早いし、何より桟もちゃんと均等だし!←ソコ

よし、 これさっそく原稿に使おっと❤️って思ったけど、私が描くなんちゃってファンタジーには障子がでてくる予定はないのでして、じゃあどんなのを使うかって話はまた次回。

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